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Vol.37 子どもと一緒に過ごす時間を増やしたい!音楽教育からITへの異業種転職に成功。3児の父の新潟Uターン物語

プロフィール

小松佑太郎さん 37歳 新潟市西蒲区出身

新潟県西蒲原郡岩室村(現新潟市西蒲区)出身。新潟大学卒業後、学生時代からアルバイトをしていた音楽教育関係の会社に就職。26歳のとき栃木県小山市に転勤し、2児の父に。その後、32歳で神奈川県横浜市に転勤し、3児の父となる。2019年、故郷・新潟にUターンし、大成ネット入社。新潟開発センターで活躍中。

 

なぜ新潟へのUターンを考えたか

転職を志したのは、小学生になった長男とのすれ違いを感じることが増えてきたのがきっかけでした。音楽教室を全国展開している会社での仕事はとても充実しており、やりがいを感じていたのですが、基本的に平日休みで、勤務時間も不規則。日付が変わる頃に帰宅することも少なくありませんでした。「このままの生活でいいのだろうか」「子育てにもっと深く関わりたい」「子どもと一緒に過ごす時間を増やしたい」――こうしたことを考えているうちに、新潟へのUターンを真剣に考えるようになったんですね。新潟を選んだのは、私の故郷であるということに加えて、自然豊かな環境のなかで子どもをのびのびと育てたいという思いがあったこと。妻の実家のある福島県の会津若松市へのアクセスにも便利なことなど、さまざまな理由がありました。

転職・移住イベントでの出会い

転職活動をスタートさせたのは2018年の10月頃、横浜の音楽教室に務めていたときのことでした。音楽教室の責任者という立場上、転職先が決まったらすぐに退職するというわけにはいきません。退職の希望を会社に伝えるとともに、どの時期に退職すれば、会社や仲間に迷惑をかけずに済むのか。上司とじっくり相談し、年度始めの繁忙期がひと段落する7月末に退職することを決め、仕事をしながら転職活動を開始したんですね。

当初は某転職サイトで新潟県内の求人を探していたのですが、情報があまりに膨大なうえに、未経験の職種を視野に入れていたこともあり、選択肢を絞ることができませんでした。そこで、「新潟県U・Iターンコンシェルジュ(以下、コンシェルジュ)」に登録することにしたのです。「コンシェルジュ」がよかったのは、私の要望に対してピンポイントで応えてくれたことです。私は、「土日休み」「勤務時間が固定されていること」「自宅から近い職場」「人と関わることを大切にできる会社」という4つの要望を伝えていたのですが、定期的に提案いただいた求人は、これらの条件に合致したものばかりでした。ただ、メールでのやり取りだけでなく、社員の皆さんと実際に会って、直接お話を伺いたいという思いがあったので、「表参道・新潟館ネスパス」で開催された転職・移住イベントに参加することにしたのです。そこで出会ったのが現在の勤め先であるIT企業「大成ネット」でした。

大成ネットとの出会い、想定外の筆記試験

イベントには新潟県内に拠点を構える約5社が参加していました。驚いたのは、大成ネットは社長が自ら参加していたことです。人事担当者の方が参加されている中、ひときわ印象に残ったんですね。正直なところ、IT業界への転職は考えていませんでしたし、採用条件・募集職種は25歳以下のSE・プログラマーでしたから、志望先として真剣に検討していたわけではありませんが、「社長自ら説明会に参加する会社って、どういう雰囲気なんだろう」という好奇心から、コンシェルジュの担当者にお願いして、個別面談の時間をとっていただいたんです。

なぜ、社長が自ら説明会に参加していたのか。曰く、「経営理念として『おもいやり』を掲げており、ほかの社員を休ませたいから自分で来た」とのことでした。この言葉を聞いて一気に魅了され、「この会社のことがもっと知りたい」と思ったんです。そこで、後日、大成ネット本社で開催された会社説明会にも参加することにしました。

会社説明会では、企業理念やビジョンについての説明を受けました。話の内容はもとより、社員の雰囲気もとてもよく「ここで働いてみたいな」という気持ちが芽生えてきたのですが、最後に試練が待ち構えていた。説明会終了後、筆記試験が実施されたのです。しばらくぶりの試験だったので、手応えはまったくありませんでした。

面接、そして内定へ

筆記試験から約2週間、会社からの連絡はありませんでした。「やっぱりダメだったんだな……」。そう思い、次の志望先を探していた矢先、会社から連絡が入りました。「筆記試験はパスしましたので、面接にいらしてください」――。筆記試験の出来を思うと、正直、信じられませんでした。ただ、「大成ネットで働きたい」という思いは日増しに強くなっていましたし、一次選考をパスできた理由を尋ねてみたいという気持ちもありました。そこで、会社の情報を調べるなど入念に準備したうえで面接に望むことにしました。

面接で社長と話をするうちに、私の疑問は氷解していきました。「新たに開設した新潟開発センターは24、25歳の若いメンバーが多い。コミュニケーションの力があってチームをまとめられる人材、外部とのやりとりや、自社で販売した製品のサポートができる人材を探している」ということだったんですね。そんなこんなで2019年2月に内定をもらうことができ、半年後の同年8月から新潟開発センターで仕事をすることになりました。転職活動をスタートしてから3、4カ月で内定を獲得できたわけですから、比較的スムーズだったと思います。

移住にあたって苦労した「別れ」

大成ネットの内定をもらった私は、退職に向けた準備を少しずつ進めていきました。苦労したのは、何といっても「別れ」ですね。前の職場は、十数人のスタッフ、100人を超える先生、そして約2000人の生徒さんを抱える、横浜市内でも最大の音楽教室でした。また、子どもの幼稚園繋がりで家族ぐるみの付き合いのある友人もいました。それぞれタイミングを見計らいながら、お世話になった皆さんに会社を辞めること、この決断を下すに至った経緯について伝えていきました。私の決断を応援してくださる方も少なからずいらっしゃって、「もっともっと頑張っていこう」と大いに勇気づけられました。

 

大成ネットの理念「おもいやりのIT技術」とは

2019年8月に入社した大成ネットは、システム開発やシステム運用、ネットワーク構築、システムコンサルティングのほか、ICカード登校管理・出欠管理システムを主軸としたRFID事業などを展開するIT企業です。理念として掲げているのが、つねに相手の気持ちを考えた「おもいやりのIT技術」。この理念や社長の人柄に共感して入社した人が多い印象です。

現在の勤め先である新潟開発センターは、2019年にスタートした事務所です。メンバーは私を含めて7人で、業界未経験で入社した社員が多いのですが、本社と連携しながら、乳幼児のうつぶせ寝による死亡事故防止をサポートするセンサー「すやっぴ」や、ICタグやQRコードを利用してスマートフォン上へ料理メニューを表示する「Edeメニュー」(多言語対応)の開発を手掛けています。今後も積極果敢なチャレンジを続け、仕事の幅を広げていければと思っています。

 

弊社で働き始めて面白いなぁと思ったのは、全社員が本社の会議室に集まり、「定例会」と称する“飲み会”が、月に一度、欠かさず開催されていることです。新潟開発センターもオンラインで結んで、飲み会を互いに中継しているんですよ。それから、全員参加の社員旅行も毎年開催されています。バスをチャーターして、関東・甲信越エリアの観光地を訪ねるのですが、車内レクやチーム対抗のクイズ大会、ゲーム大会など、一体感を醸成する仕掛けがたくさん設けられています。SEとしてお客さま先で仕事をしている社員が多い当社では、“場”をつくることで会社への帰属意識やチームワークを高めるための仕組みづくりが大切なんです。ある種の“昭和っぽさ”は否定はできませんが、とてもいい会社だと思っています。

 

新潟生活は楽しい

もともと新潟出身ということもあり、生活面で困っていることは正直ほとんどありません。敢えていえば、小学校の児童数が少ないので、万が一、息子が学校に馴染めなかったら、逃げ場がなくなるのではないかという不安はありましたが、幸い、杞憂に終わりました。何よりも土日が休みになったので、休日の計画も立てやすくなったことがうれしいですね。休日は家族でキャンプに行ったり、プールに行ったり、近くの山で遊んだりして楽しんでいます。

10年後の仕事に対するビジョン

私はこれまで、「人との関わりを大切にする」という価値観をベースにして、仕事をしてきました。10年後もこのベースをいわば“初心”として忘れずにいたいと思っています。今後、社会のIT化はますます加速していきます。それとともに、「ITを積極的に導入したいが、何をどうすればいいかわからない」という人も確実に増えていくはずです。そのなかで、わかりにくい事柄をわかりやすくシンプルに伝える力、あるいは、人々の抱える課題に対してソリューションを提案する力が重要になってくると思います。IT化がいかに進もうとも、人の力が重要であることに変わりはありません。ITに対する苦手意識やお悩みや不安をお持ちの方々の声に耳を傾けながら、「おもいやりのIT技術」を提供していけるようになりたいと思っています。

U・Iターンしたい方へメッセージ~大切なのは、真剣に悩むこと~

Uターンにしろ、Iターンにしろ、移住にはとても大きなエネルギーが必要です。日々の仕事が忙しくなると、どうしても腰が重くなりがちで、移住はしたいと思ってはいるけれど決断できないという方も少なくないでしょう。でも大切なのは、真剣に悩むということだと思います。「いま抱えている課題を移住によって解決できないか」「移住しなくても、小さな改善を積み重ねることで解決可能な課題なのか」……という具合に自問自答を繰り返しているうちに自ずと答えが出るはずですし、移住後に多少のギャップを感じても「もう少しがんばってみよう」と思えるようになるのではないでしょうか。

冒頭でもお話しいたしましたが、私が新潟へのUターンを決意したのは、子どもとの時間を充実させるためでした。Uターンから約1年が経過しましたが、家族と過ごす充実した時間は確実に増え、日々、小さな幸せを感じながら暮らすことができています。Uターンという選択を後悔しないようにするためにも、つねに“いま”を最大限に楽しんでいきたいと思っています。